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流体解析ソフトウェア:NuFD/ FlontFlow Red による解析事例



市街地鳥瞰図
計画建物と周辺市街地の鳥瞰図

ラフネスブロック/計画建物と植栽
左:再現した市街地の範囲とラフネスブロック
右:計画建物の詳細と植栽


5-1 市街地風環境評価
Keywords: Wind environment evaluation, Urban area

市街地再開発前における風環境の変化を予測するために大規模な3次元流体解析を行っています。設計図面、空中写真、地図データ等を基に計画建物と市街地を再現し、解析を行いました。計画地を代表する気象データをもとに16風向の風速分布を求め、村上らの方法、あるいは風工学研究所の方法を用いて風環境評価を行うことが可能です。
■資料のご提供 : 清水建設株式会社 技術研究所 様
植栽モデル
左:計算用植栽モデル/右:実験用植栽モデル

解析結果
左:Aモデル/右:Bモデル


5-2 風環境評価のための植栽モデルの検証解析
Keywords: Wind environment assessment

植栽が風環境に与える影響は大変重要で、建物建設に伴う強風の発生を防ぐための防風対策として重要な役割を果たしています。ここでは、植栽モデルの計算精度検証のために、2つの植栽形状の数値モデルと風洞実験結果の比較を行い、定性的に良好な結果が得られています。
■資料のご提供 : 清水建設株式会社 技術研究所 様
複雑地形と市街地周辺の流れ場
複雑地形と市街地周辺の流れ場
複雑地形と高層ビル周辺の流れ場
複雑地形と高層ビル周辺の流れ場
高層ビル周辺の複雑な流れ場
高層ビル周辺の複雑な流れ場


5-3 都市と複雑地形
Keywords: Urban area, Complex terrain

有限体積法をベースとした非構造格子ソルバーを用いることにより、この例のような複雑地形と様々な形状の建物の密集した市街地を精度よく再現し、詳細な流れ場の検討を行うことができます。
■資料のご提供 : 清水建設株式会社 技術研究所 様
メッシュ図
左:表面温度[℃]:北西より俯瞰
右:建物周辺メッシュ図

解析結果
左:地面より45mにおける温度分布[℃]
右:地面より45mにおける風速[m/s]


5-4 日射・輻射と流体場の連成解析
Keywords: Solar radiation model, Heat-Island

建物および地面における、日射、輻射、対流、熱伝導および植物の蒸発散によるエネルギー収支式に基づき、建物自身の表面温度や周辺の温度を求めることができます。
「NuFD/FrontFlowRed」の機能として、建物や地表面の温度の計算に、日射を考慮
することができ、あわせて建物壁面の温度と流体場の連成解析を行うことができます。
この事例は、ある建物の地表面と建物壁面の温度の解析を行ったものです。
■資料のご提供 : 清水建設株式会社 技術研究所 様
工場内の解析格子
工場内の解析格子
地面温度
地面温度[℃]


5-5 ガラスの壁を有する植物工場内外の熱気流解析
Keywords: Thermal radiation on glass surfaces, Heat balance in plants

建物および地面における、日射、輻射、対流、熱伝導および植物の蒸発散によるエネルギー収支式に基づき、建物表面の温度を求めることができ、また建物の温度と流体場の連成解析を行うことができます。
ここでは、全面ガラスで囲まれた植物工場の内部と外部を対象とした気流および温度の解析を行っています。建物および地表面の温度を計算するために日射の反射率、透過率、吸収率を考慮しています。一部の構造物については厚みなしの境界として模擬することにより計算の効率化を図っています。
■開発のご協力:(一財) 電力中央研究所 様、近畿大学 様
解析格子
水素濃度

水素濃度
上:解析格子/中:着火直前の水素濃度/
下:温度勾配の等値面による水素濃度
5-6 漏洩水素の爆発燃焼解析
Keywords: Hydrogen explosion, Overall reaction model

ハイブリッドカー、電気自動車の次に期待されている次世代自動車として水素エネルギーによる燃料電池を動力としたシステムが期待されています。建設分野ではインフラ整備の一環として水素ステーションの安全性に関する研究として、水素漏洩時の拡散性状や爆発燃焼の際の安全性の確認ために数値流体解析(CFD)が使われています。ここでは地下に設置された水素タンクの0.1mm穴から、数百m/sの速度で水素が噴出し貯蔵室内に拡散した状況を想定し、その水素に着火した場合の爆発燃焼の解析を行いました。解析は圧縮性アルゴリズムを使用し、水素の燃焼反応モデルを用いています。
■資料のご提供 : 清水建設株式会社 技術研究所 様
複雑地形
物質の拡散と沈着の様子※1

複雑地形
降雨と降雨による物質の沈着※2

複雑地形
物質沈着モデルの概要
左:ガス状物質の乾性沈着(壁面に沈着
フラックスを与える)
右:粒子状物質の乾性沈着(領域全体に
沈着速度、壁面に沈着フラックスを与え
る)、湿性沈着(洗浄係数を与える)






5-7 複雑地形を有する空間内の物質拡散解析
Keywords: Diffusion, Wet deposition, Dry deposition,
Complex terrain

実地形を模擬した空間の物質拡散を高精度に予測するためには、複雑なメッシュ形状に対する、ソルバーの高い汎用性が求められます。さらに、物質の地表面への沈着量を求めるときなど、物質の沈着速度を十分な精度で評価することが特に重要となる場合は、沈着モデルを適用することが必須となります。
「NuFD/FrontFlowRed」は、メッシュ形状に対して汎用性が十分高いので、任意のメッシャーでモデル化した複雑地形を解析対象とすることができます。さらに、解析空間内の物質の分布と地表面等への沈着量を求めるために、性状や天候により異なる物質の沈着のモデルに対応しています。
 物質の空間分布の予測には、オイラー法と粒子の追跡法(ラグランジュ法)を選択することができます。特にオイラー法では、物質の沈着に天候の影響を考慮できます。晴天または曇天時に対応する乾性沈着と、雨天時に対応する湿性沈着を適用することができます。さらに、物質の性状として、ガス状の物質と粒子状の物質の沈着モデルを選択することができます。これら沈着モデルと、粒子状物質に対しては重力沈降が考慮され、湿性沈着に対しては降雨による物質の輸送が考慮されて、空間の物質拡散が予測されます。
 なお、「NuFD/FrontFlowRed」では、降雨を雨滴の空間分布として扱い、雨滴の空間分布と物質拡散が空間の運動量などと連成して解かれるため、降雨による物質の輸送と地表面への沈着量も高精度に求められます。
 これらの沈着モデルは「NuFD/FrontFlowRed」の特徴の一つである、複雑なメッシュ形状を有する解析空間にも適用することができます。従って、(※1〜※2)のような実際の地形を有する解析空間でも、物質の空間分布や地面への沈着量の予測も高い精度で行うことができます。
■開発のご協力:(一財) 電力中央研究所 様、近畿大学 様
積雪堆積形状解析
積雪堆積形状解析



5-8 市街地の積雪形状解析
Keywords: Snowstorm, Wind and Snow, Snowdrift,
Fallen Snow

雪は風の影響によって吹きだまりや浸食、雪庇や巻き垂れなど様々な形状に堆積します。「NuFD/FrontFlowRed」では、流体計算と同時に積雪計算を行うことで、複雑な市街地や建物形状の影響によって堆積する積雪の形状を予測することができます。